喘息(ぜんそく)

喘息症状を緩和するにんにくの作用

喘息の大部分はアレルギー反応による気管支の炎症

一般に喘息といわれるのは気管支喘息のことを指し、空気の通り道である気管支が炎症を起こすことによって収縮するために気道が狭くなり、「ヒューヒュー」「ゼーゼー」という苦しそうな呼吸を伴う症状です。炎症の原因はいろいろありますが、大部分はアレルギー反応によって起こります。この反応を引き起こすアレルゲンにもいろいろな種類があり、家ダニ、カビ類などが主な原因ですが、過労、喫煙、刺激性食品の摂り過ぎなども誘因となります。

にんにくには喘息の症状を抑えてくれる作用

にんにくには、痰を取り除き喘息の症状を抑えてくれる作用があります。実際に、米国のアーウイン博士は粘膜調整剤として患者に処方していますし、ポーランドではにんにくエキスを使って子どもの気管支炎の治療を行っています。
古代エジプトの記録によると、人々は、健康のためにいつもにんにくを食べていたそうですが、特に喘息の症状を和らげてくれることを知っていて、利用していたということです(Ancient Egypt; ed. Robert Partridge, 2000, UK)。

現在、喘息の治療には、気管支の炎症を抑える薬と気管支を拡張させる薬が使われます。前者はステロイド剤で後者は交感神経刺激物質です。にんにくは、ゆでてアリインという含硫アミノ酸の形で摂っても、また生にんにくをよくすりつぶしてアリインをアリシンという成分にし、さらに鍋などの中で加熱してアリシンをスルフィドという硫化アリル化合物にしてから摂っても、交感神経を刺激することがわかっています(Oi Y, et al., J. Nutr. Biochem. 9:60-66, 1998)。したがって、にんにくは交感神経刺激を介して気管支を拡張させ、ぜんそく症状を緩和するものと考えられるのです。

にんにくには痰を取り除く作用と気管支拡張作用によって、気管支喘息を軽減するものと考えられます。にんにくは少量で良いので摂りつづけてみてください。にんにくには疲労回復や滋養作用もあるので常食するうちに体力がつき、体質改善の効果も期待できます。

(監修:医学博士 有賀豊彦)

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