血液には、ころんでケガをしてしまった時などに、しばらくすると血が固まって“かさぶた”をつくり、血が流れ出るのを防いでくれる止血作用があります。
血栓は死に結びつく恐ろしい病気を引き起こす
この“かさぶた”が血管の内側にできると血栓といい、それが大きな血栓になると血液の流れを妨害して酸素の供給ができなくなってしまいます。特に、動脈硬化が進行すると、血管が狭くなり血管の内壁に傷ができやすくなって血液を完全に止めてしまうような大きな血栓になってしまいます。このような血栓が、脳の血管内、脳動脈にできると「脳梗塞」、心臓を取り巻く冠動脈にできると「心筋梗塞」という死に結びつく恐ろしい病気を引き起こします。
にんにく中のMATSが血栓の発生を防ぐ
こうした病気の予防には、血液の中にあって血栓をつくる小さな粒子・血小板の凝集機能を阻止することが必要です。血管に傷がつくと、血小板が傷口を覆うようにはり付きます。その血小板の中ではアラドキン酸が代謝されて、血小板を凝集させる物質トロンボキサンA2が発生し、さらに多くの血小板を凝集させるようになりますが、にんにく中のMATS(メチルアリルトリスルフィド)があるとこれが発生しません。血栓の発生を防ぐと同時に、小さな血栓で傷を修復して血管が詰まるのを防いでくれるのです。
人がにんにくを5g食べると、約48時間も血小板の凝集力が抑えられることがわかりました。日常生活においては、1回食べると3日間くらい効果が持続しますから、1回あたり1〜2片を目安に食べるとよいでしょう。
(監修:医学博士 有賀豊彦)
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