現在、日本人の死因のトップはガンで、亡くなられる方の約半数がガンによるところまで増加しています。ガン細胞は身体から栄養を得て増殖し続ける悪性新生物。禁煙や食生活に注意することなど、ガンにならないように日ごろから予防することが大切であることがわかってきました。その中でにんにくは、「ガンになる危険性を少なくする効果がある最も重要な食物」として世界中で注目されています。
にんにくをよく食べている地域ではガン患者が少ない
にんにくの摂取量とガンの発生頻度を疫学的に調べると、にんにくをたくさん食べている人たちの方が、食べていない人たちに比べてガンが少ないということがわかっています。実際に、韓国や中国東北部など、にんにくをよく食べている地域ではガン患者が少ないのです。
ガンになる危険性を少なくする効果がある最も重要な食物
アメリカ政府が90年代初頭から進めている、ガンに予防効果のある食品を探し、さらに有効な食品を作り出そうという国家プロジェクト「デザイナーフーズ計画」では、127種類の野菜のうち、にんにくが「ガンになる危険性を少なくする効果がある最も重要な食物」であると証明され、一躍脚光を浴びました。
にんにくに含まれるDATSががんを予防する
にんにくに含まれるDATS(ジアリルトリスルフィド)は、ガン細胞の増殖を抑え、寿命のある正常な細胞に戻して、ガン細胞を消滅させることがわかりました。通常、ガンの治療は化学薬品を使ってガン細胞を「自殺」に追い込みますが、強力な薬を使うため副作用が大きな問題となっています。にんにく成分DATSを併用することで抗ガン剤の投与量を減らし、副作用を軽減する実験も進んでいます。
傷のないにんにくはにおいがなく、アリインという成分を含んでいます。にんにくを切ったりすりおろしたりして細胞に傷をつけると、酵素(アリイナーゼ)の働きでアリシンという成分に変化します。アリシンをオリーブオイルなどに溶かすと、アリシンが分解・結合して数種類のアリルスルフィド類に変化します。このアリルスルフィド類の中に、ガンを予防するDATSがあるのです。
ガン予防には、にんにくをオイルに溶かしたものや、低温加熱したものを使うのが最も有効です。にんにくオイルやガーリックバターなどが、ガン予防に最適な調理法といえるでしょう。
★にんにく料理のコツ参照
(監修:医学博士 有賀豊彦)