体が老化していく原因のひとつに「酸化ストレス」があります。酸化ストレスとは、体内に生じた「活性酸素」が遺伝子を傷つけたり、細胞を構成する脂質などを酸化して、細胞を傷つけてしまうなどの、生体にとって有害な働きをすることを指します。
必要以上の活性酸素が発生すると老化を進行させる
活性酸素は本来、細菌や有害物質から体を守る働きを持っていて、体も上手に余分な活性酸素を消去していますが、必要以上に活性酸素が発生すると、体の細胞を傷つけて老化を進行させてしまいます。
例えば、切ったリンゴに空気が触れると茶色く変色していきます。これも酸化現象のひとつですが、同じようなことが人間の体にも起こります。また、空気の汚れや紫外線なども活性酸素を発生させ、酸化ストレスを引き起こす『ストレッサ―』といえます。酸化ストレスに抵抗する「抗酸化作用」という機能は、加齢とともに減少していきます。このことは、加齢に伴って増えるガンの発生とも密接に関係しているのです。
にんにくは体の抗酸化力を高める成分が豊富
にんにくは、さまざまな野菜の中でも特に強い抗酸化力を持ち、アンチエイジング効果が期待される食材です。にんにくに含まれる硫黄化合物は、活性酸素を消去する性質が強く、体の抗酸化力を高める成分が豊富に含まれています。さらに、にんにくの成分は、毒性物質を感じ取るセンサーのスイッチをオンにするため(※1)、にんにくを摂ることによって、体が本来持っているデトックス(解毒)能力を高めることにもつながります。
統計学上、にんにくの摂取がガンを減らす(※2)ということもよく理解できます。
<参考文献>
※1 Fukao T, Ariga T、et al.. Biofactors. 2004;21(1-4):171-4.
※2 Caragay, A. B.. Food Technol. 1992;4:65-8,
(監修:医学博士 有賀豊彦)