にんにくは、日本には奈良時代に中国から漢方薬として伝来したと言われていますが、あの『源氏物語』にもにんにくにまつわる恋のお話がありました。「帚木」の中の、有名な「雨夜の品定め」に、『極熱の薬草』として登場しています。
梅雨の降り続くある夜に、式部丞が光源氏や頭中将たちに乞われて話した、非常に学問のある女性についての話のくだりです。式部丞が付き合っていたこの賢女を訪ねた際、久しぶりに訪ねてきた式部丞に対し、『病気のため、極熱の薬草(すなわち「にんにく」)を服用していますので、口辺に臭気がありますゆえ、お会いできません』と、しゃれた断り方をしたと、式部丞は告白するのです。
毎晩お会いしている仲であれば、昼間だからといってまぶしいと言うことはないでしょう。毎晩お会いできるような仲ならば、蒜のにおいがするからといって恥ずかしくてお会いできないと言うことはないのですが…。と、「昼」と「蒜」を掛けて、暗に最近あまり会いに来ないことを非難した文句だったという訳です。
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